
今朝の基礎体温、確認しましたか?
排卵日を過ぎたはずなのに体温がなかなか上がらないと、「今周期もダメだったかも…」と不安になりますよね。毎朝の検温が憂鬱に感じてしまう方も少なくありません。
でも、少し落ち着いて一緒に考えてみましょう。体温が上がらない理由はひとつではなく、計測の問題から体質、ホルモンの状態までさまざまな可能性があります。
この記事では、原因を優先度順に整理し、「様子見でよいケース」と「受診すべきケース」の判断基準、今日からできるセルフケアまでをまとめました。
まず確認:計測ミスが原因のことも

「体温が上がらない」と感じたとき、最初に見直してほしいのが計測方法です。基礎体温の測定ミスは意外に多く、正しく測り直すだけで高温期がはっきり現れるケースがあります。
よくある計測ミスのチェックリスト
| 確認ポイント | 正しい方法 |
|---|---|
| 起き上がる前に測っているか | 目覚めたら体を動かさず、横になったまま計測する |
| 舌の下(舌下)に当てているか | 舌の裏側の付け根(舌小帯の両脇)に体温計を当てる |
| 婦人用体温計を使っているか | 小数点第2位(0.01℃単位)まで測定できる専用体温計を使用する |
| 4時間以上の連続睡眠があったか | 睡眠が4時間未満だと体温が安定せず乱れやすい |
| 毎日なるべく同じ時間に測っているか | 起床時間が1時間以上異なる日は参考値として記録する |
これらの条件が整っていない場合、実際には高温期に入っているのに低く表示されてしまうことがあります。
参考:女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)
排卵後に体温が上がらない5つの原因
計測方法に問題がない場合、体の側に何らかの原因がある可能性があります。

1. 黄体機能不全(黄体ホルモン不足)
排卵後、卵胞は「黄体」に変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。このプロゲステロンが基礎体温を約0.3~0.5℃押し上げる働きをしています(ScienceDirect)。
黄体の機能が不十分だとプロゲステロンの分泌が少なくなり、体温がしっかり上がらなかったり高温期が短くなったりします。
- 高温期が10日未満で終わる
- 低温期と高温期の温度差が0.3℃未満
- 高温期の後半に体温が不安定になる(M字型)
黄体機能不全は「黄体だけの問題」ではなく、視床下部-下垂体-卵巣(HPO軸)全体のホルモン連鎖の乱れとして理解されています。3周期以上続く場合は婦人科への相談をおすすめします。詳しくは「黄体機能不全の原因と治療法」もご参照ください。
2. ストレス・睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ
ホルモン分泌を司る視床下部は自律神経の中枚でもあります。ストレスや睡眠不足が続くと、黄体ホルモンの分泌指令自体が乱れてしまいます。
姊活中は「体温を確認すること」自体がストレスになりやすいものです。計測への一喜一憂がかえってホルモンバランスを崩す悪循環になることもあります。
こちらも参考に:妊活のストレス対策ガイド・妊活と睡眠・ホルモンバランスの関係
3. 体の冷えによる血行不良
体が冷えていると全身の血流が滞り、子宮や卵巣への血液供給が不十分になります。プロゲステロンが分泌されても、血行が悪いと体温上昇に時間がかかることがあります。
- 手足の先がいつも冷たい
- お腹まわりが冷たく感じる
- 冬季に高温期が低くなりやすい
4. 甲状腺機能の問題
甲状腺ホルモンは体全体の代謝を調節しており、女性ホルモンの分泌にも影響します。甲状腺機能低下症(橋本病など)があると基礎体温が上がりにくくなることがあります。
甲状腺の問題は血液検査(TSH・FT4)で確認できます。疲れやすい・むくみやすい・寒がりが強い等の症状が重なる場合は受診をおすすめします。
5. 個人差・体質(ゆっくり上昇タイプ)
排卵後に体温がすぐに上がる人もいれば、数日かけてゆっくり上昇する人もいます。これはプロゲステロンの分泌が徐々に高まるタイプの体質で、必ずしも異常ではありません。重要なのは上昇速度よりも高温期全体の持続日数(12~14日が目安)です。
「様子見でいい」vs「受診すべき」の見極め方

| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 高温期がゆっくり上昇するが12~14日続く | 様子見でOK。体質の範囲内 |
| 高温期10日未満が1~2周期 | 計測環境を見直しつつ経過観察 |
| 高温期10日未満が3周期以上続く | 婦人科を受診(黄体機能不全の可能性) |
| 基礎体温が二相性にならない(低温期のみ) | 早めに受診(無排卵の可能性) |
| 疲労感・むくみ・寒がりなど全身症状を伴う | 受診(甲状腺機能も検査) |
| 35歳以上で姊活中 | 上記に関わらず早めの受診を推奨 |
なお、近年の生殖医学では基礎体温単独での黄体機能不全の診断は困難とされています(米国生殖医学会〔ASRM〕/生殖内分泌不妊学会〔SREI〕, 2021)。基礎体温はスクリーニングの目安であり、確定診断には血液検査(黄体期中期の血中プロゲステロン値)が必要です。
今日からできる体温を上げるセルフケア
医療機関の受診と並行して、生活習慣を見直すことも大切です。
温活で血行を整える
- 入浴:38~40℃のぬるめのお湯に15~20分つかる
- 腹巻き・レッグウォーマー:お腹と足首を冷やさない
- 温かい飲み物:白湯やノンカフェインのお茶を習慣に
- 軽い運動:1日20~30分のウォーキングで血流を促進
栄養素でホルモンバランスをサポート
- 葉酸:厚生労働省は姊娠を計画する女性に1日400μgのサプリメント摂取を推奨
- ビタミンE:血行促進に関わる脂溶性ビタミン。アーモンド・かぼちゃ等に豊富
- 鉄分:赤血球の形成を支え、子宮への酸素供給をサポート
- ビタミンD:生殖医療分野で着床率との関連が注目されている栄養素
食事だけで十分な量を摂るのが難しい場合は、サプリメントでの補給も選択肢です。詳しくは「着床にいい食べ物と栄養素」もご覧ください。
ストレス・睡眠ケア
- 毎日の検温結果に一喜一憂しない。1周期のトレンドで判断する
- 就寝時間を一定にし、6~8時間の睡眠を確保する
- つらいときは無理にポジティブにならず、「つらい」と口に出してよい
- カウンセリングや姊活コミュニティの活用も検討する
よくある質問
Q. 排卵後に体温が上がらなくても姊娠することはありますか?
A. あります。体温がゆっくり上昇するタイプの方でも姊娠した例は多く報告されています。
Q. 基礎体温を測るのがストレスです。やめてもいいですか?
A. 基礎体温は不妊治療の必須検査ではありません。ストレスになるなら休止も選択肢です。
Q. 高温期が短いのですがサプリメントで改善できますか?
A. サプリメントは食品であり疾病の治療目的ではありません。続く場合は婦人科で原因確認を。
まとめ
- 計測ミス:最初に確認
- 黄体機能不全:高温期10日未満が続く場合は受診
- ストレス・睡眠不足:ホルモン乱れの要因
- 体の冷え:温活で改善の余地あり
- 甲状腺機能:血液検査で確認可能
- 個人差:高温期の持続日数がより重要
基礎体温の基本については基礎体温の基本と正しい測り方をご覧ください。自分でできる温活対策は妊活中の温活で体温を上げる方法で確認してください。
不安が続く場合は婦人科への相談を。自分のペースで妊活を進めていきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療に代わるものではありません。
参考文献:
・ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)
・Progesterone and the Luteal Phase(PMC)
・torch clinic – 黄体機能不全とは
※この記事で紹介するサプリメントは食品であり、医薬品ではありません。疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安がある方は医師にご相談ください。
