【リライト確認用・公開しない】妊活とセレン|効果・摂取量・摂りすぎ注意を整理

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妊活とセレンの関係を表すイメージ。魚介類やミネラルのやさしいイラスト

「妊活にセレンがいい」と目にして、気になって調べはじめた方も多いかもしれません。一方で、セレンがそもそもどんな栄養素なのか、どれくらい摂ればよいのかまで、わかりやすく書かれた情報は意外と見つかりません。

この記事では、妊活で名前が挙がるセレンについて、まず「どんなミネラルなのか」という事実から整理します。そのうえで、妊活の文脈で語られる理由を冷静にお伝えし、多く含む食品と1日の目安量、そしてセレン特有の「摂りすぎ注意」までを、厚生労働省・文部科学省のデータをもとにフラットにまとめます。

この記事でわかること

  • セレンとは何か(必須微量ミネラル・抗酸化酵素の材料という事実)
  • 妊活で注目される理由を、煽らず研究ベースで整理
  • セレンを多く含む食材と、1日の摂取量の目安
  • 耐容上限が低く「摂りすぎ」に注意が必要な理由(最重要)
  • 食事とサプリの使い分けと、重複摂取の落とし穴

セレンとは?妊活で注目される抗酸化ミネラル

セレンが必須微量ミネラルで抗酸化酵素の材料になることを示す図解

セレンが必須微量ミネラルで抗酸化酵素の材料になることを示す図解イラスト

セレンとは、体に欠かせない「必須微量ミネラル」の一つです。微量ミネラルとは、体の中でごくわずかしか必要としないけれど、不足すると不調につながるミネラルのことを指します。鉄や亜鉛と同じ仲間と考えるとイメージしやすいでしょう。

セレンの大きな特徴は、「セレノプロテイン」と呼ばれるたんぱく質の材料になることです。セレノプロテインは、生殖・甲状腺ホルモンの代謝・DNA合成・酸化的なダメージからの保護など、体のさまざまな働きに関わる成分で、その種類は24種類以上あるとされています(参考文献1)。

その中でも妊活の文脈でよく耳にするのが抗酸化作用です。抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)によるダメージから細胞を守るのを助ける働きのことを言います。セレンは、この抗酸化のしくみを支える酵素の材料になるミネラルとして知られています(参考文献1)。

まずはこの「必須の微量ミネラルである」「抗酸化に関わる酵素の材料になる」という2つの事実を押さえておきましょう。専門用語が出てきましたが、ざっくり言えばセレンは“体のサビ取り役”をつくるのに必要な材料、というイメージで十分です。後半でお話しする「摂取量の目安」や「摂りすぎ注意」を理解する土台になります。

セレンの働き|抗酸化(グルタチオンペルオキシダーゼ)と甲状腺

セレンが抗酸化酵素と甲状腺ホルモン代謝に関わることを穏やかに示すイラスト

セレンが抗酸化酵素と甲状腺ホルモンの代謝に関わることを示す図解イラスト

セレンの働きは、大きく分けて2つの方向から説明されます。一つは抗酸化、もう一つは甲状腺ホルモンの代謝です。どちらも、セレンを材料につくられるセレノプロテインが担っています。

抗酸化を担うグルタチオンペルオキシダーゼ

抗酸化のしくみを支える代表的なセレノプロテインが、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素です。名前は難しいですが、役割はシンプルで、体内で発生した過酸化物(細胞を傷つけうる物質)を分解し、酸化的なダメージから細胞を守るのを助けます(参考文献1)。

体内では、酸化を進める活性酸素と、それを抑える抗酸化のしくみが、日々バランスを取り合っています。セレンは、その抗酸化側の酵素をつくるのに欠かせない材料というわけです。ビタミンEやビタミンCといった抗酸化栄養素と同じく、「体のサビ対策」に関わる成分として研究されています。

甲状腺ホルモンの代謝にも関わる

もう一つ重要なのが、甲状腺ホルモンの代謝への関与です。甲状腺ホルモンは、体の代謝(エネルギーの使い方)を調整するホルモンで、その働きを整える過程にもセレノプロテインが関わっています(参考文献1)。甲状腺は女性の体調とも関わりが深い臓器のため、妊活の話題の中でセレンと甲状腺がセットで語られることがあります。

整理すると、セレンは「抗酸化酵素の材料」であり「甲状腺ホルモンの代謝にも関わる」ミネラルです。ここで大切なのは、これらはセレンの生理的な役割であって、特定の効果を保証する話ではないという点です。次のセクションでは、妊活との関係がどこまで語れるのかを冷静に見ていきます。

妊活でセレンが語られる理由を冷静に整理

妊活の栄養素としてセレンが研究分野で注目されていることを穏やかに表すイラスト

妊活の栄養素としてセレンが研究分野で注目されていることを表すイラスト

結論からお伝えすると、セレンが妊活の文脈で名前を挙げられるのは、「抗酸化に関わる必須ミネラルである」という事実と、「生殖と栄養の研究分野で取り上げられている」という事実の2点が背景にあります。

体内では、酸化ストレスと、それを抑える抗酸化の働きのバランスが日々保たれています。このバランスは女性の体のさまざまな営みに関わるとされ、抗酸化に関わる栄養素が研究のテーマとして取り上げられています。セレンも、その文脈で注目される栄養素の一つです。

研究で報告されていること(断定はできない範囲で)

ここは誠実にお伝えしたい点です。女性の妊孕性(にんようせい=妊娠する力)とセレンの関連をまとめた系統的レビュー(複数の研究を集めて整理した論文)では、次のような報告が紹介されています(参考文献2)。

  • 血液中のセレン濃度と、卵胞液(卵子を包む袋の中の液)に含まれる抗酸化物質の濃度に、正の相関がみられた
  • セレンの補給によって、ある種の抗甲状腺抗体(TPOAb)の値が下がったという報告がある
  • 血液中のセレン濃度と、採卵数・卵胞数に正の相関がみられたという報告がある

一見すると期待を持ちたくなる内容ですが、この論文の著者自身が、はっきりと限界を述べています。研究の数が少なく、データを統合して分析するメタアナリシスができず、質の高い比較試験(RCT)も不足しているため、因果関係(セレンを摂れば結果が変わる、という関係)はまだ確立されておらず、さらなる研究が必要だと明示しているのです(参考文献2)。

つまり現時点で言えるのは、「相関は報告されているが、因果は未確立で研究中」というところまでです。「セレンを摂れば妊娠しやすくなる」と言い切れる段階ではありません。本記事では、この事実をそのままお伝えします。

男性側の文脈でも研究されている

セレンは、男女どちらか一方に限った話ではありません。精子を酸化ストレスから守る抗酸化の文脈でも、生殖におけるセレノプロテインの役割を扱った総説(研究をまとめた論文)が存在します(参考文献3)。ただしこちらも、精子の状態や妊娠への直接的な効果を断定するものではなく、あくまで「酸化ストレスからの保護」という生理機能の文脈で研究されている、という整理にとどまります。

なぜここまで慎重にお伝えするのか

妊活中は情報に敏感になりやすく、断定的な表現が知らないうちにプレッシャーや焦りにつながることがあります。「これを摂れば」という言葉は心強い反面、思うようにいかないときに自分を責める材料にもなりかねません。だからこそ、確かな事実だけをフラットにお伝えしたいと考えています。いつ始めても、できることはあります。あなたのペースで栄養を整えていくことが、無理のない一歩です。

妊活で注目される栄養素は、セレンだけではありません。たとえば妊活で注目される栄養素・ビタミンDもあわせて読むと、栄養素ごとの捉え方を比較しやすくなります。

※この記事は特定の効果・効能を保証するものではありません。妊活は心身ともにデリケートな時期です。気になることがあれば、自己判断せず医師にご相談ください。

セレンを多く含む食品と1日の摂取量の目安

まぐろ・かつお節・卵などセレンを多く含む食材を並べたイラスト

まぐろやかつお節などセレンを多く含む食材を並べたイラスト

セレンは、魚介類・肉類・卵に多く含まれるミネラルです。日本の食卓によく登場する食材に含まれているのが特徴で、ふだんの食事から自然に摂れます。

以下は、文部科学省の食品成分データベースに基づくセレンの含有量の目安です。

食材目安量セレン量
きはだまぐろ(生)100g74μg
かつお節100g約320μg
かつお節5g(ひとつかみ程度)約16μg

※含有量は文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)食品成分データベースに基づく(参考文献4)。μg(マイクログラム)は1mgの1,000分の1の単位です。

注目したいのは、かつお節のセレン量の多さです。100gあたり約320μgと、ほかの食材に比べてかなり高い数値になっています。とはいえ、かつお節を1回に100gも使うことはまずありません。実際には冷奴やおひたしにひとつかみ(5g程度)かける使い方が一般的で、それでも約16μgが摂れる計算です。後で見る目安量と照らし合わせると、ごく日常的な使い方でも十分な量になることがわかります。

女性の1日の推奨量と日本人の平均摂取量

では、セレンは1日にどれくらい摂ればよいのでしょうか。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、セレンの推奨量が以下のように定められています(参考文献5)。

区分セレンの推奨量・付加量
成人女性(18歳以上)推奨量 25μg/日
妊婦付加量 +5μg/日
授乳婦付加量 +20μg/日
成人男性(18歳以上)推奨量 30〜35μg/日

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づく(参考文献5)。付加量とは、通常の推奨量に上乗せして摂りたい量のことです。

ここで知っておきたいのが、日本人は通常の食生活で平均約100μg/日のセレンを摂取しているという事実です(参考文献5)。女性の推奨量25μg/日に対して、平均摂取量はその4倍ほど。つまり、日本で普通に食事をしていれば、セレンが不足することはまれとされています。

これは、まぐろやかつおなどの魚介類、肉、卵を日常的に食べる日本の食文化が背景にあります。たとえば、きはだまぐろの刺身を数切れ、味噌汁にかつお節のだし、卵を1個——こうした献立を組み合わせるだけで、推奨量はあっという間に満たせます。「セレンが足りないかも」と心配して急いで足す必要は、多くの場合ありません。

なお、セレンと同じく妊活で名前が挙がる必須ミネラルに亜鉛があります。あわせて意識したい方は妊活に亜鉛が重要な理由もご覧ください。複数のミネラルをバランスよく摂る視点が役立ちます。

【最重要】セレンは摂りすぎ注意|耐容上限とセレノーシス

セレンは必要量と上限量の幅が狭く摂りすぎに注意が必要なことを穏やかに示すイラスト

セレンの耐容上限と過剰摂取の注意点を穏やかに示すイラスト

ここが、セレンを語るうえでもっとも大切なポイントです。セレンは体に必要なミネラルですが、同時に「必要な量」と「摂りすぎになる量」の幅が比較的狭いという性質を持っています。だからこそ、上限の目安が設けられています。

セレンの耐容上限量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、セレンの耐容上限量(健康障害のリスクがないとされる習慣的な摂取量の上限)が以下のように定められています(参考文献5)。

区分セレンの耐容上限量
成人女性(18歳以上)350μg/日
成人男性(18歳以上)400〜450μg/日

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づく(参考文献5)。

女性の推奨量が25μg/日、耐容上限量が350μg/日。推奨量の14倍ほどで上限に達するという関係です。ビタミンの中には推奨量の数十〜数百倍まで余裕があるものもありますが、セレンはその幅が狭めだと理解しておくと安心です。同じく耐容上限があり摂りすぎに注意したい栄養素については、脂溶性ゆえに摂りすぎ注意なビタミンEの整理もあわせてご覧ください。

過剰摂取で起こりうるセレノーシス

セレンを慢性的に過剰摂取すると、セレン中毒(セレノーシス)を起こすことがあるとされています。報告されている症状を整理すると、次のようになります(参考文献6)。

  • 初期にみられるもの:呼気(吐く息)のニンニク臭、口の中の金属のような味
  • 慢性的に続いた場合:脱毛、爪の変形
  • そのほか報告されているもの:悪心(吐き気)、下痢、皮膚の発疹、倦怠感、神経系の異常

さらに、グラム単位という極端な量を摂取した場合には、重症の胃腸障害・神経障害・腎不全などを引き起こすことも報告されています(参考文献6)。これは通常の食事ではまず起こらない量ですが、セレンが「摂れば摂るほど良い」ミネラルではないことを示す事実です。

誤解しないでいただきたいのは、これは普通の食事を心配する話ではないということです。前のセクションで見たとおり、日本人の平均摂取量は約100μg/日で、上限350μg/日にはまだ余裕があります。食材から普通に食べている分には、過度に恐れる必要はありません。注意したいのは、次に説明するサプリメントでの上乗せのほうです。

妊活サプリの「重ね飲み」で上限に近づく落とし穴

妊活中は、複数のサプリメントを併用している方が少なくありません。葉酸サプリ、マルチビタミン・ミネラル、妊活用サプリ、美容サプリ——こうした製品の中には、セレンが配合されているものがあります。1つひとつは適量でも、知らないうちに重複して積み上がることがあるのです。

仮のシミュレーションで考えてみましょう(あくまで考え方の例です)。

摂取源セレン量の例
毎日の食事約100μg
妊活サプリA約50μg
マルチビタミン・ミネラル約50μg
美容サプリ約50μg
合計約250μg

※製品ごとの配合量は異なります。上記は重複の起こり方を示す概算例です。

この例では合計が約250μgで、女性の耐容上限350μgにはまだ届きません。しかし、配合量の多いサプリを複数重ねたり、含有量を確認せずに種類を増やしたりすると、食事分と合わせて上限に近づいていくことは十分にありえます。セレンは必要量と上限の幅が狭いミネラルなので、「サプリをたくさん飲めば安心」という発想は、こと過剰摂取の面では当てはまりません。

ポイントを整理すると、こうなります。

  • 食材から摂る分には、過剰の心配はほとんどない(日本人の平均約100μgで上限350μgに余裕あり)
  • 注意すべきは、複数サプリの重ね飲みによる重複(合計量が見えにくい)
  • 不安を煽る必要はないが、「サプリならいくらでも盛ってよい」わけではない

つまり「セレン=危険」でも「いくら摂っても平気」でもなく、どこから・どれだけ摂っているかを把握することが大切だということです。この切り分けが、次の「食事とサプリの使い分け」の土台になります。

セレンは食事とサプリ、どう使い分ける?

セレンは食事を基本にしサプリは補助として重複を確認する役割分担を示す図解イラスト

セレンを食事から摂ることとサプリで補うことの使い分けを示す図解イラスト

ここまでの数値を踏まえると、セレンとの付き合い方の答えはとてもシンプルです。基本は食事で十分。サプリを使う場合は、含有量と他サプリとの重複を確認する。これがセレンの性質にかなった使い分けです。

まずは食事を基本に

これまで見てきたように、日本人は平均約100μg/日のセレンを食事から摂っており、女性の推奨量25μg/日を大きく上回っています。まぐろなどの魚介類、肉、卵、だしのかつお節——こうした日常的な食材に含まれるため、偏りのない食事をしていれば、食材から無理なく摂れるミネラルです。

むしろセレンは、特定の食材だけを大量に食べたり、不足を心配して急いで足したりするより、いろいろな食材から自然に摂るほうが、結果的に適量に収まりやすくなります。妊活中の食事の整え方全般については、妊活中の食事で栄養バランスを整えるコツもあわせてご覧ください。

サプリを検討してよい場合と、その際の注意

食生活が乱れがち、忙しくて栄養が偏りやすい、という方にとってサプリは便利な選択肢です。ただし、セレンは必要量と上限の幅が狭いミネラルであることを踏まえて、次の点に気をつけましょう。

  • 含有量を確認する:そのサプリにセレンが何μg配合されているかを確認し、食事分(平均約100μg)と合わせて上限350μgを大きく超えない範囲かを意識する
  • サプリの重複に注意する:妊活サプリ・マルチビタミン・美容サプリなどを併用すると、セレンが重複して積み上がることがある。複数飲むなら合計量を把握する
  • 「種類を増やせば安心」ではない:必要量と上限の幅が狭いため、足し算で増やすより全体量を見ることが大切

栄養補給の入口として

妊活中は、セレンに限らず複数の栄養素を意識したい時期です。妊活用サプリの中には、セレン酵母などを配合したものもあります。こうした製品は、栄養補給の選択肢の一つとして取り入れることができます。

選ぶ際は、通常の食事と合わせてセレンの上限350μgを大きく超えない設計になっているかという視点を持つと安心です。配合量が明記され、過不足のないバランスで設計された製品を選びましょう。ここでも基本は変わりません——情報を確認したうえで、自分の食生活に足りない部分を補う、という姿勢が大切です。

※サプリメントは食品であり、医薬品ではありません。効果には個人差があります。持病がある方や通院中の方、サプリの併用に不安がある方は、医師や薬剤師にご相談ください。

妊活とセレンに関するよくある質問

妊活とセレンに関するよくある質問を表すQ&A風のイラスト

妊活とセレンに関するよくある質問(FAQ)のイラスト

Q. 妊活にセレンサプリは必要ですか?

A. 多くの場合、必須とは言えません。日本人は通常の食生活で平均約100μg/日のセレンを摂っており、女性の推奨量25μg/日を大きく上回っています。まずは魚介類・肉・卵を含む偏りのない食事を基本にするのがおすすめです。食生活の乱れや偏りが気になる場合の補助としてサプリを検討する形がよいでしょう。その際は、他のサプリとセレンが重複しないよう含有量を確認してください。

Q. セレンの摂りすぎはどうなりますか?

A. セレンを慢性的に過剰摂取すると、セレン中毒(セレノーシス)を起こすことがあるとされています。初期には呼気のニンニク臭や口の中の金属味、慢性的に続くと脱毛・爪の変形が代表的で、ほかに吐き気・下痢・皮膚の発疹・倦怠感・神経系の異常が報告されています。ただし、食材から普通に食べている分にはまず起こりません。注意したいのは、複数のサプリを重ね飲みして合計量が上限(女性で350μg/日)に近づくケースです。

Q. セレンは1日どれくらい摂ればよいですか?

A. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人女性(18歳以上)の推奨量は25μg/日です。妊婦は付加量+5μg/日、授乳婦は付加量+20μg/日とされています。一方で耐容上限量は女性で350μg/日です。日本人の平均摂取量は約100μg/日なので、普通に食事をしていれば不足の心配は少なく、むしろサプリでの上乗せのしすぎに注意する栄養素です。

Q. セレンを摂ると妊娠しやすくなりますか?

A. セレンは抗酸化に関わる必須ミネラルとして、生殖と栄養の研究分野で注目されています。系統的レビューでは、血液中のセレン濃度と卵胞液中の抗酸化物質の相関などが報告されていますが、論文の著者自身が「研究数が少なく因果関係は確立されておらず、さらなる研究が必要」と明示しています。つまり「摂れば妊娠しやすくなる」と言える段階ではありません。妊活は栄養素ひとつで決まるものではなく、食事全体や生活習慣を整えることが基本です。

まとめ|セレンは摂取量とバランスを意識して

妊活で注目されるセレンについて、事実をもとに整理してきました。要点は次の3つです。

  1. セレンは抗酸化酵素の材料になる必須微量ミネラル。生殖・栄養の研究分野で注目はされているが、妊娠への効果が断定できる段階ではない(相関の報告にとどまり、因果は未確立)
  2. 基本は食事で十分。日本人は平均約100μg/日を摂っており、女性の推奨量25μg/日を大きく上回るため、不足の心配は少ない
  3. セレン特有の注意は「摂りすぎ」。耐容上限は女性350μg/日と幅が狭く、複数サプリの重ね飲みで上限に近づくことがある。全体量を把握することが大切

ネット上の「セレンで妊娠しやすくなる」といった断定に振り回される必要はありません。まずはふだんの食事を整えること。そのうえでサプリを使うなら、含有量と重複を確認すること。それが、あなたのペースでできる確かな付き合い方です。いつ始めても、できることはあります。

妊活中の食事づくりの全体像は妊活中の食事で栄養バランスを整えるコツで、一緒に意識したいミネラルについては妊活に亜鉛が重要な理由でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。

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※本記事は栄養に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果・効能を保証するものではありません。サプリメントは食品であり、医薬品ではありません。効果には個人差があります。体調に不安がある方、通院中の方は、必ず医師にご相談ください。

参考文献

  1. 厚生労働省「eJIM セレニウム(医療者向け)」 eJIM(「統合医療」情報発信サイト)
  2. Lima LG, et al. (2022) Relation between Selenium and Female Fertility: A Systematic Review. Rev Bras Ginecol Obstet 44(7):701-709 PubMed Central
  3. Evidence for a manifold role of selenium in infertility(不妊におけるセレンの多面的役割) Hormones (Springer)
  4. 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)食品成分データベース」 食品成分データベース
  5. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 日本人の食事摂取基準(2025年版)
  6. 食品安全委員会「清涼飲料水評価書 セレン」 食品安全委員会

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※この記事で紹介するサプリメントは食品であり、医薬品ではありません。疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安がある方は医師にご相談ください。